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特別企画:3世代インタビュー


脈々と受け継がれる伝統、聖隷の理念は世代を超えて

本学では創立以来70余年「生命の尊厳と隣人愛」を建学の精神として医療福祉分野の人材を育成してきました。自分の身に置き換えて人を思いやる看護の心は、昭和・平成・令和と時代を経ても変わることなく学生たちに受け継がれています。また、親子や兄弟姉妹と世代を超えて本学で学んだという方は少なくありません。今回は親・子・孫と3世代にわたり聖隷で学んだご家族にお話を伺いました。

(写真左から)
娘・恵美さん[浜松衛生短大一科卒業、聖隷三方原病院勤務]
紀美子さん[准看護婦養成所5期生/浜松衛生短大二科卒業、聖隷三方原病院勤務(元)]
孫・美里さん[聖隷クリストファー大学看護学部看護学科卒業、聖隷三方原病院勤務]

聖隷准看護婦養成所
(後の聖隷准看護学園)

聖隷学園浜松衛生短期大学

聖隷クリストファー大学

インタビューテーマ


生き生きと働く母の姿に自分の将来を重ねて

◼聖隷入学のきっかけは?

紀美子さん:「これからの時代、女性も手に職を持つこと、資格を持つことが大切」という、助産婦をしていた母のすすめがありました。母がクリスチャンだったのでキリスト教を身近に感じて育ったこともあり、長谷川保先生が実践する「キリスト教精神に基づいた看護の道」に興味を抱いたのがきっかけです。准看護婦養成所の5期生として学び、卒業後は聖隷三方原病院に勤務していましたが、37歳の時に西村ミサ先生にすすめられて短大に入学。一つ上の看護を身につけることができました。
娘・恵美さん:聖隷の近所に住み、看護婦として働く母の姿を見て育ち、父も医療関係の仕事をしていたので、進むべき道は決まっていました。気づけば自分も聖隷の看護師になると思っていましたし、小学生の頃から決意を作文に書いたほどです。
孫・美里さん:私も、母が看護の仕事に誇りを持って楽しそうに働いているのを見て育ちました。幼い頃から近くに住んで聖隷を見ていたので、迷うことなく入学しました。我が家はまさに聖隷一家。弟は臨床工学士、妹は臨床検査技師として聖隷で働いています。
紀美子さん:娘が迷うことなく看護師の道を選んでくれたことが本当に嬉しかったです。娘はもちろん聖隷の医療に携わる孫たちのことも誇りに思っています。

紀美子さん

大変なことも楽しいことも仲間や恩師とともに

◼在学中の思い出をお聞かせください

娘・恵美さん:技術試験の前にファイルがボロボロになるくらい読み込み、友人と何度も練習したことを思い出します。実習は大変でしたが、終わった後に先生も一緒に打ち上げをしたり、気分転換をはかったりしながら、辛いことも楽しいことも分かち合い、成長できたと思います。クラスでお揃いのTシャツなどを作り、学校行事で盛り上がったのもいい思い出ですね。
孫・美里さん:初めて実習着を着用し、髪をお団子にしてネットで留めた時の緊張感と喜びが今でも思い出されます。その身だしなみを褒められたのが、とても嬉しかったことを覚えています。これから大学生活が始まる!という期待感を胸に、聴診器をつけてみんなで記念撮影しました。
紀美子さん:創立者の長谷川保先生や西村ミサ先生の教育を直接受けられたのは貴重な体験でした。また、37歳で短大進学を決めた時は、当時中学生だった我が子と一緒に猛勉強しました。
娘・恵美さん:夜遅くまで仕事をして帰り、それから私たちより沢山勉強するので、すごいな!と思って母を見ていました。短大の授業については「体育だけがちょっと困る」といつも話していましたね。一緒に跳び箱を練習したこともあります。
紀美子さん:5段がなかなか跳べなくて。単位獲得のために、あざを作りながら頑張りました。

在学時の写真
(左から紀美子さん、娘・恵美さん、孫・美里さん)

疲れていても輝いていた看護師の母の顔

◼家族としてお母様やお祖母様をどんなふうに見ていましたか

孫・美里さん:まだ幼かったので、残念ながら祖母の現役時代は記憶にありません。母については、大変そうだなと感じることはあっても、いつも仕事に行くのが楽しそうでしたし、誇りを持って働いているのがわかりました。そんな姿を見て育ったので、私も人の役に立つ仕事がしたいと思い、聖隷の医療の道に。ごく自然な流れだったと思います。
娘・恵美さん:私も、勉強と仕事を両立し、夜遅くまで頑張る母の姿を眩しく感じていました。また、私自身も看護の仕事に誇りを持って楽しく働いていたことが、3人の我が子の進路選択に影響を与えたのならば、母としてとても嬉しく誇らしく思います。
孫・美里さん:いつの日か、私や弟妹の子どもたちが聖隷で医療の道を歩んでくれたら「4代目」。次世代にも尊敬して憧れてもらえるよう、私自身もプライドを持って楽しく頑張っていきたいたいと思います。
紀美子さん:クリスチャンであり助産婦だった私の母を含めれば、すでに4代にわたり医療に従事しています。そのベースには「隣人愛」というキリスト教の精神があり、生き生きと働く姿を通して親から子へと看護・医療のやりがいや喜びが継がれているのだと思います。ひ孫や玄孫まで継がれたらとても幸せなことですね。

左:娘・恵美さん 右:紀美子さん

言葉にしなくてもわかり合える安心感

◼親子3世代にわたり聖隷で学び、従事して感じていることは?

紀美子さん:私たちは同居しているのですが、仕事の内容を理解できることにより、共通の話題に共感できたり、意見を述べ合ったり、困っている時に相談に乗ってヒントをあげられるのがいいですね。
孫・美里さん:社会人になったばかりの不安な時期や困った時、同じ道を通ってきた先輩であり、同じ専門職であるからこそわかってもらえるので、なんでも相談できます。ものすごく悩んでしまった時にも、祖母や母に救ってもらいました。
娘・恵美さん:娘がいつもと違う表情だったので、顔をみただけでわかりましたね。多くを語らなくても、わかるんです。
孫・美里さん:話を聞いてもらえたし、深いところでわかり合えるのが嬉しかった。安心して「頑張ろう」と思うことができました。
娘・恵美さん:学生時代の実習担当の先生が母娘で同じ、なんてこともありました。相談事だけでなく、共通の話題があるということで盛り上がりますし、アドバイスもしやすいですね。
紀美子さん:80代の私は疾患を持つ身。今は患者として聖隷のお世話になっています。家庭内では、最新の医療現場について知ることができたり、アドバイスを受けられたりするので助かっています。親子3代で聖隷の看護に携わる役得ですね。あらためて、私と娘そして孫たちと聖隷のご縁へと導いてくれた私の母に、心から感謝しています。


立場を自分に置き換えて患者さんに寄り添う

◼聖隷の看護とは?

紀美子さん:どんな場面においても、常に自分の身に置き換えて患者さんと接すること。それが看護を実践する中で自然と身につきました。落ち込んでも諦めない、その繰り返しで今があると感じています。患者さんと心を交わすことができるのも大きな喜びであり、看護の醍醐味でもあります。現役を退いた今でも続いている患者さんやそのご家族との交流は、看護を通して手に入れた私の宝物です。
娘・恵美さん:「あなた自身のようにあなたの隣人を愛さなければならない」…現在は手術室の仕事をしていますが、この言葉を常に頭においています。全身麻酔の患者さんは自ら訴えることができません。自分が患者だったらやって欲しいことをイメージして看護しています。そんな同じ「聖隷の看護の精神」を身につけた優しい先輩や後輩に囲まれ、日々進化していける環境が聖隷にはあります。
孫・美里さん:学生時代に身につけたコミュニケーション技術が患者さんとのかかわりに役立っています。また、看護師、介護士、理学療法士などさまざまな職種が連携して一人の患者さんに寄り添うのが、聖隷ならではの温かく、やりがいのある看護だと実感しています。これは職場に限らず家でも感じること。今も続く祖母と元患者さんたちとの交流が、祖母の時代から患者さんの近くに寄り添い、患者さんを大切にしてきたことを証明していると思います。私も患者さんとのかかわりを大切にして、聖隷の良き伝統を繋いで行きたいです。

孫・美里さん

看護・医療の真髄を身につける唯一無二の聖隷の学び

◼看護師をめざす高校生へメッセージをお願いします

孫・美里さん:聖隷福祉事業団には保健・医療・福祉の実習先が沢山あります。大きな病院で質の高い学びができますし、診療科の種類も豊富なので将来の選択肢が広がり、幅広い知識が身につきます。人の役に立つ仕事をめざす方にとって、活躍の場がより広がる環境が聖隷には整っています。
娘・恵美さん:聖隷では、実習生を受け入れる施設はより良い環境で学べるよう心を尽くし、大学の先生方は実習前の指導を徹底してくださいます。また、医療機関として、常に最新の情報を入手し、いち早く導入するよう現場でも日々研鑽を重ねており、学生たちは常に最新の医療を学ぶことができます。学生を思い、充実した学びをサポートする聖隷で、皆さんの実力を育み、夢を叶えてください。
紀美子さん:聖隷なら常に先端技術を導入する医療現場で学ぶとともに70年間培われてきた看護の精神を身につけ、自分のめざす看護を見出し、希望する職場で生かすことができます。また、私が患者の立場で病院を訪れて実感するのは、聖隷の質の高さです。患者さんのことを第一に考える聖隷スピリットが確実に受け継がれています。看護・医療を目指し、その未来を担うみなさんに、隣人愛に基づく聖隷の看護精神が継がれて行くことを願っています。