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リハビリテーション学部_作業療法士



浜松市リハビリテーション病院 甲斐淳平さん

現在の仕事の特徴、魅力、やりがい
 現在、私は浜松市リハビリテーション病院で作業療法士として働いています。当院は回復期病院であり、手術などの治療メインの病院と在宅など社会生活の間の立ち位置にあります。回復病院でのリハビリ次第では自宅に帰れる可能性を見出すことや復職などの社会参加をスムーズに移行可能にできることがあります。そのため患者さんの病気や怪我の人生を大きく左右する立ち位置にあると感じています。

後輩へのメッセージ
 私は、学生の頃の臨床実習で浜松リハビリテーション病院にお世話になり、先輩OTの姿を見て、ここの病院であれば自分も成長できると感じ、就職しました。今は目の前の患者さんのことで精一杯ですが、ゆくゆくは急性期や在宅でも働いてみて、最終的に今の病院に戻ってきたいと考えています。就職する時に、「自分はこれがしたい」という明確な物はなくてもいいと思います。目の前の患者さんに全力でぶつかれる環境で働くことができれば自分のしたいことは見えてくると思います。

浜松北病院 藤田尚人さん

現在の仕事の特徴、魅力、やりがい
 現在は、外来、一般病棟、地域包括ケア病床を担当しています。主に、運動器疾患(骨折、肩関節周囲炎等)、脳血管疾患(片麻痺、高次脳機能障害等)、内部疾患(肺炎、心不全等)のある高齢者を対象としています。幅広い知識や技術に加え、生活背景も考慮しながら、その人らしい生活の再構築に向けて支援することが求められます。責任のある仕事ですが、対象者のできる生活行為が増えて笑顔を見るとやりがいを感じます。

今の領域(職種)に進もうと思った理由
 臨床実習では、身体障害、老年期障害、精神障害の領域を経験し、どの領域にも魅力を感じていましたが、まずは医療専門職として基本的な知識や技術を学ぶために身体障害領域の病院で経験を積むことが必要ではないかと考えました。また、リハビリテーションには、急性期、回復期、生活期の病期がありますが、様々な病期を経験したいという思いも抱いていました。そのため、これらの条件に合う施設を有する現在の職場に就職しました。

将来の夢や今後挑戦したいこと(これからのキャリアプラン)
 経験年数が増えるにつれ、より質の高い作業療法の実践に加え、学生や後輩指導、業務改善等も求められ、幅広い能力を身につける必要性を感じるようになりました。そのため、本学博士前期課程へ進学、認定作業療法士の資格を取得しました。今後、まずは博士前期課程を修了し、学会発表や論文投稿を通して研究結果を公表したいと思います。また、日々研鑽を積み、様々な関連機関・学会の認定資格取得も目指したいと考えています。

後輩へのメッセージ
 学生時代に経験して良かったと思うことは、ボランティアです。早期から様々な対象者と接したり、専門職の関わり方を見聞きしたりすることで視野が広がり、士気が高まりました。また、作業療法士を目指す上で、まずは自分自身・家族の健康や生活面に関心を持って過ごすことが大切ではないかと考えます。それにより、臨床現場に出た際に、より対象者の立場から「その人らしい生活とは何か」を考える視点になるのではないかと思います。

ワークセンターふたば 鈴木麻美さん

現在の仕事の特徴、魅力、やりがい
 地域の就労支援施設、ワークセンターふたばに勤務しています。社会参加への支援を必要としている障害を持った方々に参加の場を提供し、経験の積み重ねにより自己の認知機能について何らかの情報を得ること、自分自身に目を向けて障害の気付きをもち自分自身を知ることで、社会へ踏み出す一歩へとなることを期待し支援を行っています。就労支援と聞くと仕事を支援するイメージが強いですが、それだけではなく日常生活、地域生活にも視点を置いており、よりリアルな生活を支援できるのが魅力です。

今の領域(職種)に進もうと思った理由
 在学中、次の目標もないまま、何度も大学を退学しようと思い両親に相談していました。そんな時に藤田先生の講義で就労支援の話を聞き「これだ!」と直感的に思いました。その後は実習で行ってみたい領域の希望を出すときも「地域の就労支援施設にいってみたい」と記載し、実習に行かせて貰いました。そして、そのまま地域の就労分野に就職を決めました。

将来の夢や今後挑戦したいこと(これからのキャリアプラン)
 社会のマナーや常識を大切にできる、素敵な社会人でいたいというのが1人の大人としての理想です。地域で働く作業療法士の今後の目標としては、私たち作業療法士が地域でどんな支援をしているのか、活躍できる場がたくさんあることを多くの人に知ってもらうことです。そのために自分自身まだ、未熟な部分がたくさんあるので、知識の向上や様々な経験を積んでいきたいと思っています。

後輩へのメッセージ
 卒業後、自分がどんな生活を送りたいか、衣食住や趣味のこと自分の時間をどう使うかを1番に考えて就職先を選択しました。暮らし、仕事、趣味、自分に合ったバランスを見つけていくことが大切だと感じています。私は卒業してすぐ、地域の就労支援領域に飛び出しました。毎日充実していると感じています。順調にいくことも、壁に当たることもありますが、それはどの仕事を選んでもどの領域に就職しても同じだと思います。自分が決めたことへの責任が持てることが大切だと感じています。

青年海外協力隊 (終了後根洗学園復職予定)真鍋智美さん

現在の仕事の特徴、魅力、やりがい
 私は、青年海外協力隊としてスリランカにある障がい児者通所センターで、2年間のボランティア活動をしました。主な活動内容は、新しいアクティビティの提案です。大人からの指示と机上の活動が多いスリランカの現場。作業療法士の経験を活かし「自分で考えること」「身体をたくさん動かすこと」「楽しいこと」に焦点を当てた活動を提案してきました。私の活動を見た現地スタッフが新しい発見をしてくれたときは、とても嬉しく思いました。

今の領域(職種)に進もうと思った理由
 私が青年海外協力隊に関心を持ったのは、高校生のときでした。学業や部活動に打ち込むことができる私達の環境が、世界から見たら当たり前ではないと知ったとき、世界の子ども達の姿を見たいと強く思いました。大学卒業後、児童発達支援センターで7年間の実務経験を積み、たくさんの子ども達と出会い、多くの経験や知識を得ることができました。この7年の経験が協力隊参加を決意する大きな後押しとなりました。

将来の夢や今後挑戦したいこと(これからのキャリアプラン)
 言語が異なるスリランカでの生活。想いを言葉にできず、相手の言っていることもわからず、コミュニケーションが億劫な日もありました。そんな時に助けてくれたのは、ジェスチャーを交えて伝えてくれるホストファミリーや、拙い言葉から言いたいことを汲み取ってくれる同僚の存在でした。この気持ちや経験を忘れずに、言葉にならない想いを抱く子ども達に寄り添い、その想いを一緒に発信していける存在でありたいと思います。

後輩へのメッセージ
 私は大学で作業療法の魅力をたくさん教わり、作業療法が好きになりました。そして、自分自身が作業療法士になってからもっと好きになりました。魅力いっぱいの作業療法の世界。一緒に作業療法の世界を楽しみましょう!この世界はみなさんが自分らしく輝ける場所でもあると思います。

聖隷リハビリプラザいなさ 生駒菜桜さん

現在の仕事の特徴、魅力、やりがい
 リハビリプラザいなさは大河で話題になった井伊直虎ゆかりの地、井伊谷にあります。リハビリテーションなどの機能訓練を日帰りで受けることができるデイサービスです。当デイを利用される方々は自分のことは自分でできるようにと、それはもう直虎のごとく溌剌と機能訓練に取り組まれています。私は作業療法士として、機能訓練のメニューを考えたりご自宅の安全な環境を整える助言をしたりと、利用者様が望む生き方を目指してそのお手伝いをしています。

今の領域(職種)に進もうと思った理由
 病気を治療できる医師やケアができる看護師は本当に凄いと思います。尊敬しています。しかし医療的な知識を基に身体機能を向上させる福祉用具を使って家の環境を整える、さらに趣味まで利用して就労支援をする、それらを通してその人の今後10年20年の生活を作り上げていく、これをできるのが作業療法士です。そして最も作業療法士が活躍できるのは、地域に密着した施設・サービスだと思います。そこに魅力を感じて、今の職種・領域を目指しました。

将来の夢や今後挑戦したいこと(これからのキャリアプラン)
 デイサービスでできる支援はたくさんありますが、訪問してこそ見えることや、ご自宅だからこそできる訓練もあります。今後は訪問リハビリテーションなども経験し、より利用者様のために活躍できたらと考えています。また私は就職当初、急性期の病院でも働いていました。急性期とは病気、怪我をしたばかりの時期を指します。身体が突然動かなくなる、利用者様にとって一番辛かった時期を知っていることは自分の糧になっていると思います。

後輩へのメッセージ
 今まで散々偉そうに書いてきましたが、正直私は不真面目だし勉強熱心でもありません。これを読まれている皆さんの方が、学生の頃の私よりずっと真剣に進路を考えていると思います。作業療法士や医療・福祉職を目指す時、きっとその真剣さがあなたを助けると思います。でもせっかくなら、あなたが「楽しそうだな」と思える場所を選んでみてください。楽しそうなあなたの姿で、いつか出会う患者さん・利用者さんを笑顔にしてください。

多機能型事業所むく 大野実沙紀さん

現在の仕事の特徴、魅力、やりがい
 発達障害の子どもが通う児童発達支援事業と放課後等デイサービスの施設に勤務しています。コミュ二ケーションが苦手であったり、日常生活動作が難しかったり、発達が少し遅れているお子さんたちが通ってくる施設です。仕事の特徴は、保育園・幼稚園・小学校など集団生活についていくことが難しいお子さんのフォローアップや学校以外での居場所として子どもたちが楽しく遊べるように支援しています。また、身体的な発達が遅いお子さんに対して感覚統合の遊具を使用し感覚・運動面から支援をしています。やりがいは、今までできなかった日常生活動作ができるようになったり、集団生活の中で人の話が聴けるようになったりなどお子さんのできることが増えていくことです。また、長期にわたりお子さんと関わることができるので子どもの成長を直に感じることができます。

今の領域(職種)に進もうと思った理由
 小さいころから地域の子どもたちと遊ぶことが多くありました。また、小学生の時に自閉症の友達がいて発達障害というものを近くに感じていました。自分が進路を決める時に子どもに関わる仕事をしたいと思い、得意なことを生かして好きな子どもたちと関わることができる職業ということで作業療法士を目指しました。

将来の夢や今後挑戦したいこと(これからのキャリアプラン)
 感覚統合に対してもっと知識を深めて今の子どもたちに多く還元できればいいなと思います。発達障害のお子さんは定型のお子さんができるようなことを体験しにくいため、様々な体験をしてもらえるような楽しいイベントを子どもたちと一緒にやっていきたいです。

後輩へのメッセージ
 作業療法の仕事は、身体・老年・精神・発達・地域など様々な分野で働くことができます。大学4年間の中で、多くの人たちを笑顔にできる作業療法を目指して勉強や仲間作りに励んでください。自分のやりたいことを見つけて、特技を生かせるような仕事ができるように頑張ってください。

豊橋市こども発達センター 橋本千佳さん

現在の仕事の特徴、魅力、やりがい
 開発途上国の人々と共に生活し、働き、彼らと同じ言葉で話し、相互理解を図りながら彼らの自助努力を促進するという、草の根レベルのボランティア活動です。 現地で本当に必要とされている技術や支援を探り、自分で二年間すべての活動を組み立てて行動していきます。仕事は待っていても出てこないので、生活する中で問題を見つけ、解決策を現地住民と考え、生活が安定するように進めていきます。「貧しい」「道がない」「病院や学校にいけない」など日本では珍しい問題と直面できることはやりがいでもありました。

今の領域(職種)に進もうと思った理由
 小学生の頃から海外に興味があり、特に、途上国の様子を本やテレビで見ると、どんな生活なのだろうと想像を膨らましていた記憶があります。大学時代は、アルバイトで貯めたお金で長期休暇には語学留学を繰り返す中で、異なる言語でコミュニケーションを取ることの魅力にどんどんと惹かれていきました。職場に自己啓発休暇制度があり、協力隊へ休職して参加できることが分かったので、制度を利用して参加することを決意しました。

将来の夢や今後挑戦したいこと(これからのキャリアプラン)
 2年間の活動でスペイン語を習得しました。帰国後はポルトガル語の通訳も行えるようにと、定期的に語学研修へ参加しています。勤務地の愛知県豊橋市は外国籍の方が多く、言葉の通じる安心した医療に繋がるよう、自分が得た語学力を患者様やほかのスタッフに還元していくことに取り組んでいます。

後輩へのメッセージ
 現在はきっと、どの領域で就職しよう?何県までなら範囲内かな?と考えている段階かなと思います。自分の専門性を海外でも生かすことができると考えたら、世界中が就職先候補になります。協力隊は一つの選択肢ですが、もし海外や途上国での支援に興味がある方がいれば、ぜひ「情報を集める努力」を行ってみてください。インターンシップやNGO活動など、知ることで選択肢は増えていきます。自分の可能性を広く信じて、頑張ってください。

上林記念病院 堀雄介さん

現在の仕事の特徴、魅力、やりがい
 卒業後、私は精神科病院に就職しました。7年間は入院病棟を担当し、急性期から慢性期まで様々なケースの作業療法を経験しました。今年度からは、主にうつ病などで休職中の方のリワーク(復職)支援をしています。精神科領域で介入する問題点や課題の多くは、ご本人が主体性をもって取り組むことにより解決へと近づきます。信頼関係を築きながら2人3脚のように協働し、ゴールに向けて取り組むプロセスはこの仕事の醍醐味だと思います。

今の領域(職種)に進もうと思った理由
 この領域に進もうと思った理由は、臨床実習の経験にあります。日本の精神保健医療福祉のあり方が入院医療中心から地域生活中心へと変える方向性が示され、その具体的な実践段階であることを授業で学びました。たまたま私が訪問した実習施設は、精神障害をもつ方の地域生活支援をしており、当事者の視点に立った開拓的な取り組みをされていました。精神科領域は発展途上段階であると実感し、私も新しい目をもって何かに取り組んでみたいと考えました。

将来の夢や今後挑戦したいこと(これからのキャリアプラン)
 今後挑戦したいことは、現時点では明確になっていません。専門職としてどうキャリアを積んでいくか考え始めたのは3年目の時でした。「もっと専門性を磨きたい」「自分に力をつけたい」と強く思うようになり、こうした気持ちが発端で大学院に進学することを決めました。専門職として何を大事にしたいか、何を突き詰めていくのか、修了する時には自分の答えを出したいと思っています。

後輩へのメッセージ
 1、2年次生のうちは、講義などで知識を得ても働く現場のイメージまでできないことが多いと思います。しかし、学生という立場だからこそ時間や機会をつくって、専門職が働く実際の現場を自分の目で見て知って欲しいと思います。また、ボランティアやアルバイトの経験も大切です。将来どんなふうに活躍したいか、どんな分野で自分の得意なことが生かせるかぜひ考えてみてください。学生生活は大変貴重な時間です。後悔のないよう有意義にお過ごしください。

富士整形外科病院 鈴木真綾さん

現在の仕事の特徴、魅力、やりがい
 手術から退院後の在宅支援までを担う、整形外科専門病院に勤務しています。不慮の事故や転倒などで骨折された患者さまに対し、機能回復や退院後の生活に向けた訓練を行っています。患者さまが主体的に参加できるようプログラムを工夫することや、看護師さんやご家族と密に連絡を取りながら行う退院支援にやりがいを感じています。

今の領域(職種)に進もうと思った理由
 整形外科というと理学療法士さんが活躍するイメージが強いです。しかし、高齢社会、ストレス社会の現在では、認知症や精神疾患既往のある患者さまも多く入院されます。「からだ」と「こころ」を同時に診ることができるのは作業療法士の強みだと考え、現在の就職先を選びました。作業療法士としてできることを日々模索しながら働いています。

将来の夢や今後挑戦したいこと(これからのキャリアプラン)
 病院での勤務を経て、患者さまの自宅環境と病院でできるリハビリテーションの差に悩み、院内で行うリハビリテーションに限界を感じました。今後は訪問リハビリテーションに携わり、対象者の生活により近い地域や在宅で、生活に寄り添った支援を提供していきたいと考えています。地域こそ作業療法士が活躍できる最高の場だと確信しています。

後輩へのメッセージ
 作業療法士は、自分の個性や経験を存分に生かせるお仕事です。体力と時間のある学生時代に、ボランティアやアルバイト、旅行など、何でも興味を持ってたくさんの経験をしてください。私は学生時代2度海外研修に参加させていただき、異文化に触れながら同じ職種を目指す海外の学生さんから多くの刺激を受けました。たくさんの人と交流することで、様々な価値観に出会えたり、今まで気づかなかった自分の個性を発見できたりします。

磐田市立総合病院 宮本善弘さん

現在の仕事の特徴、魅力、やりがい
 総合病院というだけあり、私の職場では多様な疾患と、幼児から高齢者まで幅広い年齢の方を対象としています。入院患者さんへの作業療法では、手術翌日からその人らしい生活の獲得に向けてサポートしていきます。「一人でトイレをしたい」、「仕事に復帰したい」など、対象者が希望する生活行為が作業療法を通して一つひとつできるようになったとき、作業療法士としてのやりがいを感じます。

今の領域(職種)に進もうと思った理由
 学生時代の臨床実習で、作業療法の視点は全人的で奥が深いと感じたため、進学に興味をもちました。就職後は、自分が作業療法士として対象者に何をしてあげられるのかという壁に突き当たることも多く、日々悶々としていました。そんなときに教授からお誘いをいただいたことがきっかけで、臨床経験6年目に仕事の傍らで本学の大学院へ進学することを決意しました。

将来の夢や今後挑戦したいこと(これからのキャリアプラン)
 大学院修了後の現在、患者さんへの直接的な関わりだけでなく、委員会やチーム活動など患者治療をサポートする業務や、所属組織の運営にも携わらせていただいています。また、病院内でできる作業療法の実践には限界があると感じています。作業療法の専門性を生かしその人らしい生活を実現するために、対象者が暮らす生活の場に目を向けることが大切だと思います。大学院では作業療法の専門的な学びだけでなく、教育学や経営学など組織運営のための幅広い知識も学びました。大学院の学びを生かして、業務上の課題を解決していきたいと思います。

袋井市立聖隷袋井市民病院 伊藤麻巳子さん

今の領域(職種)に進もうと思った理由
 学生時代進みたい領域はなかったですが、働く中で見つかるだろうと思い就職しました。病棟業務に加え、市の介護予防事業へも2年前から携わり、地域高齢者への出張講義や地域ケア会議へ参加する機会がありました。実際に地域で暮らす高齢者や関わる他職種が、リハ職に専門職としての視点や身体機能の把握、その人に合った環境調整案等を求めていると知るきっかけになりました。

将来の夢や今後挑戦したいこと(これからのキャリアプラン)
 学生の頃、臨床実習で行かせていただいた病院で、訪問リハビリを見学する機会がありました。対象者とご家族は、担当作業療法士が来ると表情が明るくなり「毎週来てくれるから私たちは安心して自宅で暮らせるんだよ」と話していたのが印象的でした。病棟での経験をもとに、今後は在宅や地域に関わる分野でも働いてみたいと考えています。

後輩へのメッセージ
 私は学生の頃、興味のある分野も進みたい領域もはっきりしていませんでした。しかし、学生時代の実習で身障・精神・発達と様々な領域に行かせていただいたことが就職する領域を決めるきっかけになりました。知識や技術も大切ですが、目の前にいる患者様に敬意を持って関わり、信頼関係を築くことが大切だと思います。大変なこともありますが人としても成長できる仕事だと思います。

白梅ケアホーム 松下星香さん

現在の仕事の特徴、魅力、やりがい
 私はデイケアで、利用者様が在宅生活を継続できるようご本人様、ご家族様のニードを聴き、個別訓練や環境調整を行っています。退院し自宅に戻ってきてデイに来る方の多くから「病院は嫌だ」「つまらない」といったお話を聞きます。その度にご本人様の住み慣れた場所で自由に過ごすことは、とても幸せだと感じます。私は、それを今後も可能な限り健康に継続できるようにするお手伝いをしています。

今の領域(職種)に進もうと思った理由
 学生時代の実習で、急性期、回復期病院と介護老人保健施設で勉強させていただきました。病院は患者様の病気を治し退院させるといった印象を受けましたが、施設ではその方の家での過ごし方や外出した際の話を聞くなどして生活スタイルが垣間見える時が度々あり、よりその方の生活に寄り添った作業療法を行うことができそうという印象を受けたためです。

後輩へのメッセージ
 卒業後にどの専門分野に進むか、とても悩むところだと思います。「1年目は病院で多くの経験を積んで勉強したい!」と考えている人も多いかもしれません。それもとても良いことだと思います。一方で、病院ではなくても学べること、得られるものも沢山あります。OTが働いている場所、領域は沢山あるので、ぜひ視野を広げながら卒業後の進路を考えてみてください。

朝山病院 松家史歩さん

現在の仕事の特徴、魅力、やりがい
 現在、私は精神科の慢性期病棟担当の作業療法士として働いています。主に統合失調症、躁鬱病、認知症で、長期入院の方がほとんどです。身体障害領域はリハビリの効果が明白に現れやすいですが、精神科領域は長い時間を掛けて関わることで、日々少しずつですが変化が見られるところに魅力を感じています。昨年度から病棟単位での活動が増え、担当病棟の患者様と関わる時間が以前よりも増えました。長年OT参加されていなかった方とも深く関わることができ、結果的に参加につながり「OT好きだよ~」と言ってもらえたことにやりがいを感じました。

今の領域(職種)に進もうと思った理由
 私は学生の頃、精神科の病院に臨床実習に行かせていただきました。それまでは、精神科に対して「怖い」「どんな所か想像がつかない」とあまり良いイメージを持っていませんでした。しかし、実習を通じて、マイナスイメージが払拭されました。私はなかなか就職したい領域が決まらず迷っていましたが、実習での経験で就職先の候補の幅が広がったと思っています。

後輩へのメッセージ
 他の大学に比べ、授業数、専門的な科目が多くて忙しく、大変なことも多いことかと思います。勉強以外にも今は少し難しいとは思いますが、アルバイトや旅行、ボランティアなど、学生のうちにしかできないことをたくさん経験すると良いと思います。大学生活、友人と過ごす時間を思い切り楽しんでください。

児童発達支援センターさんぽみち 原木美緒さん

現在の仕事の特徴、魅力、やりがい
 発達障がいの子どもたちが通う、児童発達支援センターさんぽみちに勤務しています。さんぽみちでは、生活や遊びを中心とした保育を通して、一人ひとりの発達に合わせた支援をしています。また、幼稚園や小学校への訪問支援も行っています。特徴としては、意欲や安心感、自信、人と繋がる力などを育て、成人期に豊かで充実した生活を送ることができるように幼児期から子ども達の将来を見通した支援をしています。日々、子ども達の様子は変わっていきます。できることが増えたり、お友達と楽しそうに遊んでいる姿を見ることができたりすると、とても嬉しくやりがいを感じます。

今の領域(職種)に進もうと思った理由
 臨床実習では、精神科デイケアと障害者支援施設に行かせていただきました。利用者さんと過ごしていく中で、気持ちを共有して、その人の生活や人生を知ることができました。このように就職後も、利用者さんとゆっくりと向き合いながら、地域に密着した支援をしていきたいと思いました。現在の職場が多機能型診療所であり、乳児期から自立、社会生活までをトータルに見ながら支援していることを知り、進路を決めました。

将来の夢や今後挑戦したいこと(これからのキャリアプラン)
 今後挑戦したいことは、明確には定まっていません。しかし、発達障害や感覚統合についての知識を深めながら、今後も目の前にいる子ども達としっかり向き合っていきたいと思っています。子ども達にとって、さんぽみちが「安心できる場所」「楽しい場所」となるように努めていきたいと思います。

聖隷三方原病院 鈴木巨樹さん

現在勤務している領域の仕事の特徴、魅力、やりがい
 私は聖隷三方原病院に勤務しています。当院はICUやホスピス病棟を有しており急性期から終末期まで幅広くリハビリを行っています。現在私は、整形班と呼吸・循環器班の2チームに所属しています。多種多様な疾患と患者様と関わることができ、それぞれの病期に合わせたリハビリを学べることが聖隷三方原病院の魅力だと感じています。

今の領域(職種)に進もうと思った理由
 学生時代に急性期病院で実習をさせていただきました。急性期では患者様の状態が日々変わるため、患者様の身体面や精神面の改善を実感することができました。また、多くの患者様と関われることにやりがいを感じました。また、急性期から患者様のニーズに合わせて介入することの重要性を知ることができ、自分も急性期の作業療法に関わりたいと考えました。

将来の夢や今後挑戦したいこと(これからのキャリアプラン)
 私は現在OT4年目となりました。今後に関して、聖隷三方原病院で働きながら自分の興味のある領域を見つけていければと考えています。また当院は、OTが呼吸器・循環器疾患に力をいれている県内では数少ない病院であるため、学会発表や勉強会などに参加し呼吸器・循環器のリハビリについて深く学んでいきたいです。

後輩へのメッセージ
 まだまだ、コロナの影響もあり十分に授業や実習を行えず、その中で就職先を決める事は、不安があると思います。まずは、あまり深く考えず「楽しそう」「かっこいい」と感じた領域を選んでみるのも一つの方法だと考えます。OTは、様々な所で働けることが魅力の一つであるため、広い視野を持ちながら今後の事を考えられると良いと思います。

藤枝市立総合病院 小野 安咲子さん

現在勤務している領域の仕事の特徴、魅力、やりがい
 私は現在、総合病院に勤め領域は急性期です。対象となる患者様は、ケガや術直後、脳血管障害の発症直後や術後、呼吸器疾患の急性期や慢性期での増悪、循環器疾患の急性増悪や術後、癌患者、他周術期に廃用予防の必要な方です。
疾患特性、治療内容の理解、他職種との連携、また日々変化する患者様の状態に応じた治療が求められます。日々学ぶ事が多く、患者様の予後に関わる点で責任もあり、やりがいを感じています。

今の領域(職種)に進もうと思った理由
 病気や怪我を患った患者様が自身で生活者に戻っていく為には、何が必要か考えていた時期がありました。私はそこで患者様が主体的に人生を考え選択できることが重要で、そしてそれがリハビリの出発点だと考えました。急性期は患者様に一番初めに関わる領域です。患者様のニードやデマンドと共に不安な気持ちに寄り添うこと、できるだけ機能予後の可能性を残すこと、環境調整を行いながら、様々な患者様の選択に寄り添いたいと考えています。

将来の夢や今後挑戦したいこと(これからのキャリアプラン)
 リハビリを通して、地域住民の健康増進に携わりたいと思っています。そのために必要な知識の拡充や資格の獲得に向けて、励んでいます。また、自己研鑽を積むためには自身の健康と費やすための時間、仲間が必要です。今一緒に働いている同僚やご縁を大切にお互いが働きやすいような環境を作っていきたいと考えています。

後輩へのメッセージ
 私は、現職域に就く前、青年海外協力隊に参加し、ベトナムの病院で作業療法の援助・啓蒙活動をさせて頂きました。自分の作業療法を考え直すきっかけにも、現地の文化や人々の優しさ、人々の生きる力を知る機会にもなりました。この活動に挑戦できた事は、今の私の糧となっています。医療従事者としての活躍の場は幅広く多様性に富んでいます。自身が輝ける、興味のある場を模索し皆さんも自身の可能性を楽しんでください。

NPO法人 あくしす 小久江 直見さん

現在勤務している領域の仕事の特徴、魅力、やりがい
 私は就労継続支援A型事業所「お好み焼き こなこな」で働いています。こなこなで働く利用者の方々は様々な障がいを持っていますが、全員飲食店で働きたいという確固たる想いがあり、接客・調理のプロとして責任をもって働いています。それぞれの障がい特性を把握した上で得意分野を伸ばし、活躍の場を広げるサポートができることは大きな魅力です。もっとたくさんのお客様に彼ら、彼女らの活躍を見ていただけるよう、日々の支援に取り組んでいます。

今の領域(職種)に進もうと思った理由
 当法人の「障がいのある人もない人も住み慣れた地域でいきいきと生活できる」という理念に共感し、地域の領域であるNPO法人あくしすに就職を決めました。今の部署の前は居宅介護・移動支援事業所の「あてんでゅー」で働いていました。障がいのある方の余暇や生活をサポートすることで、プライベートな場に踏み入ることができ、利用者の方の価値観や人間像が見えるので、その方のやりたいことが一緒にできた時は自分のことのように嬉しいです。利用者の方の人生と密に関われる地域領域はとてもやりがいがあります。

将来の夢や今後挑戦したいこと(これからのキャリアプラン)
 今後挑戦したいことは明確には決まっていません。しかし、地域OTとして就労支援の知識を深めていき、利用者の方が働きやすい環境づくりをしていきたいと思います。また、お好み焼きこなこなで働くスタッフのカッコいい姿をたくさんのお客様に見てもらえるようにお店自体も全力で盛り上げていきたいと思っています。

後輩へのメッセージ
 様々な人の価値観を知るために、アルバイトやボランティアなどを通し、人と関わることが大切です。学生時代の内に、普段関わらないような業種の人と積極的に関わり、視野を広げることで、自身の価値観の変化や、興味の幅の広がりに繋がります。卒業までの時間は有限ですので、1度しかない学生生活を有効に使って楽しんでください!

静岡済生会療育センター令和 横田 遥さん

現在勤務している領域の仕事の特徴、魅力、やりがい
 脳性麻痺、発達障害、ダウン症をはじめとするお子さまの療育を行う施設で働いています。食事・更衣などの日常動作やコミュニケーションが苦手なお子さまに対して“遊び”を通してできることを増やしたり、園や学校生活をより円滑に過ごせるようなお手伝いをしています。机上での遊びの他に遊具を使って身体を動かし感覚面や運動面への介入も行います。私はお子さまの“楽しい!やってみたい!”などの意欲を引き出しながら一人ひとりに合わせた活動を提供することを大切にしており、小児領域ならではだと思っています。お子さまの笑顔やできることが増える瞬間、ご家族からでてきたエピソードなどを聞けると、とても嬉しくやりがいを感じられます。

今の領域(職種)に進もうと思った理由
 小さい頃からぼんやりと子どもに関わる仕事や医療系の仕事がしたいと思っていました。調べる中でリハビリ職を知り、小さい頃から折り紙や制作などの細かい活動が好きだったこともありOTを選びました。実習でお子さまが楽しんで遊びながら学ぶ姿や生活へ結びつく過程を経験しました。その中でできることが増えていく瞬間がとても嬉しかったです。そして私も一人ひとりに合わせた関わりができるOTになりたいと強く思うようになりました。

将来の夢や今後挑戦したいこと(これからのキャリアプラン)
 感覚統合や心理についての知識や考え方をもっと学び実践できるようになりたいです。お子さまやご家族の貴重なお時間を頂いているので、お子さまが安心してよりよい日々がこの先も過ごせるような手助けができたらいいなと思っています。そしてお子さまだけでなくご家族にも気軽に話せる安心できる時間や場を提供できるようになりたいです。

後輩へのメッセージ
 作業療法士はさまざまな領域があり選択肢も多く、将来について具体的にイメージがある人もない人もいると思います。ボランティアや実習もそうですが友達やアルバイト先などさまざまな人と関わる中で、やってみたい!と思うものがきっと見つかると思います。やりたいと思う気持ちがあれば自然と将来にも繋がっていくのではないかと思うので、勉強も大切ですが学生生活を楽しんでください。

小笠病院 瀧崎 亮さん

現在勤務している領域の仕事の特徴、魅力、やりがい
 卒業後、浜松市の精神科病院に勤め、急性期病棟、認知症専門病棟を担当していました。3年前に、医療法人好生会に転職し、掛川市内の施設で生活訓練・宿泊型自立訓練、短期入所の生活支援員を経て、現在、小笠病院の精神一般病棟担当の作業療法士をしています。入院間もない患者さんに少しずつ寄り添い、集団内で作業を共有するなかで、変化を観察し、本人主体の生活に向かうための個別(地域生活での困り感、生きづらさ、目標など)に繋げていく過程にこの仕事のやりがいや責任を感じます。

今の領域(職種)に進もうと思った理由
 臨床実習の経験が、精神領域で働くきっかけになりました。実習前の私は、正直「怖い」「暗い」「大変」等のマイナスなイメージを持っていました。精神科デイケアでの実習を経て、地域で安定した生活を送るために、利用者さん、職員が同じ空間内で課題を共有し、本人が主体的に取り組める作業や環境を考え、提供する機会を勉強しました。利用者さん、職員さんが、共に明るく、楽しげに過ごしている光景は、私のイメージが180度変わる瞬間でした。

将来の夢や今後挑戦したいこと(これからのキャリアプラン)
 現在、精神科作業療法に従事する傍ら、地域活動として日本ソーシャルフットボール協会地域推進委員、浜松市の一般社団法人ASOBIと共にスポーツ・あそびを通じて、多様なひとが繋がり合う場づくりの事業を担当しています。多様なひとが繋がる場に、作業療法士としての視点や専門性を求められています。その場に来たら、「楽しい」「来て良かった」「褒められた」「仲間ができた」等、前向きな経験を共有し、互いを理解する地域での場づくりに挑戦していきたいです。

後輩へのメッセージ
 作業療法士になると、様々な人と出会い、様々な生活背景や考えに触れます。多種多様な時代に生きる皆さん、ぜひいろんなことにチャレンジしてください。チャレンジすると、自然と仲間が増え、居心地良い輪になります。その経験は、必ず目の前の困っている人に寄り添う一つの武器になります。
 今ある学生生活に悔いのないよう、贅沢に、豪快に時間を使ってください!