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就職・キャリア

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看護学部 看護師 静岡県西部


医療法人社団三誠会
北斗わかば病院
看護師

加納江理 

聖隷クリストファー大学大学院 修士課程
看護学研究科 看護管理学分野修了

 私が大学院への進学を考えたのは、「看護実践を伝えられるようになりたい。」という気持ちからでした。

 当時、私は神経難病の患者さんが多数入院する療養病院で病棟管理者をしていました。入院患者は日常生活のほぼすべてを看護師に委ねなければならない患者さんばかりで、看護師は日々の生活援助に追われる現状がありました。そこでの看護師たちは、真面目で優しく、患者さんが生きていくための援助を誠実に、丁寧に提供していました。
 こんなに素晴らしい看護をしているのに療養の看護師たちは、自分たちの看護に自信が持てない様子で、「あなたたちの毎日の地道な看護実践が患者さんの生命の営みを支えている」と繰り返し説き、指導していました。その中で、私はこうした優れた実践を言語化し、広く伝え、その価値を高めたいと思うようになりました。

 大学院での看護実践を理論と照らし合わせて省察し再び患者さんと向き合うという作業の繰り返しは、看護を深く考える経験となりました。また、課題レポートを重ねることで、実践の根拠を言語化するトレーニングとなり、研究に取り組む力となりました。さらに自身が抱えていた看護師と看護補助者の連携という研究テーマに取り組めたことは大きな収穫でした。

 病棟管理者をしながらの学生生活は本当に大変でした。日々の仕事に追われながら課題に取り組む生活に、何度も心が折れそうになりましたが、その都度周囲の方々が私を支えてくれました。先生方の厳しくも温かな指導や仲間からの励まし、職場の皆様の心遣い、いくら感謝しても足りない位の優しさをもらいました。休職することなく、修了できたのはこうした周囲の応援があったからだと思っています。

 今の仕事は、療養病院で地域連携と退院支援を担っています。看護の視点でベッドをコントロールし、地域から必要とされる病院であることを目標に働いています。病院の外の世界と繋がる仕事をする上で、大学院に進学して得た信頼できる友人との交流が大きな力となっています。卒業生として第7回せいれい看護学会の大会長を務めさせていただいたことも、素晴らしい経験でした。皆様の応援をいただき、盛会となりましたことに感謝しています。これからも卒業生の一人として、優れた看護を探求し、自己研鑚を積み、臨床現場からの発信を続けることで患者さんと看護師の幸せを作っていきたいと思っています。
出典:2017年4月発行「広報誌クリストファーVol.6」

公立森町病院
副院長 兼 看護部長

津島準子 

聖隷学園浜松衛生短期大学
第一衛生看護学科卒業

 私は、現聖隷クリストファー大学の前身である聖隷学園浜松衛生短期大学第一看護学科の卒業生です。学生時代の最大の思い出はマザーテレサの講演会です。恥ずかしながらその時の講演内容はほとんど記憶にありませんが、神々しかった光景だけは忘れられません。

 現在、私が看護師として心の拠り所として大切にしている言葉は、「大切なのは、どれだけたくさんのことをしたかではなく、どれだけ心をこめたかです」というマザーテレサの言葉です。純粋だった心が時にはあたたかさよりも冷たさを自覚するときがあり、自分を見失わないよう立ち戻る言葉が、この言葉です。隣人愛を理念とした聖隷の方針とともに原点に立ち返ることができます。この学校の卒業生であったことを誇りに感じる瞬間です。

 卒業後、私は聖隷浜松病院に就職し、外科病棟へ配属となります。この時代に「インフォームドコンセント」という言葉が医療界に広がりました。告知の在り方も大きく変化した時代でした。看護はいつの時代も普遍とはいうものの、看護とは何かを突き付けられた時代だったかもしれません。その後画像診断科、外来、臨床研究管理センターを経験することになります。

 外来では、在宅訪問にもチャレンジしました。今から30年近くも前のことです。その経験からGCU、病棟、外来とのチームで、呼吸器装着児の初の在宅復帰に係るなどしました。その後、臨床研究管理センターで治験に携わります。新薬開発の臨床試験時に弱者となりうる患者が安心安全に治験参加できるよう法改正がなされ、看護師介入に期待がされました。今では、薬剤師はもとより多職種協働で質向上が図られています。これらの経験を活かし、もとの看護の現場で寄り添う看護がしたいと考えるようになりました。

 そんな時、現職場の「公立森町病院」で看護師を探しているという連絡を受け、平成17年、縁あって入職することになりました。病棟師長4年、管理師長2年を経た後、看護部長、翌年に副院長を拝命することになりました。

 森町は地域医療に根差した医療を展開しています。聖隷時代に培った、患者にとって必要であればなんだってやる!という躊躇なき選択と実践を今も引き継いで行っているつもりです。しかし時に不安になることもあります。そんな時こそ「大切なのは、どれだけたくさんのことをしたかではなく、どれだけ心をこめたかです」という原点に立ち返り、今の私を支えています。
出典:2021年4月発行「広報誌クリストファーVol.12」

医療法人宝美会 浜名病院
訪問看護ステーションはまな 管理者
訪問看護認定看護師

前田幸代 

聖隷浜松衛生短期大学
第一衛生看護学科
1989年度卒業

患者の最後のニーズを叶える訪問看護師の魅力

 東京生まれで、北海道育ちの私。高校の先輩達が聖隷で活躍している話を伺い、私もその一員に。大家さんは、遠方組を家族の様に良く見て下さいました。学生時代は、病院のバイトで大先輩達の温かな看護を見る事が出来ました。就職先は、実習の経験から内科を希望、私一人に教育係の先輩が2 人で毎日緊張の日々でした。
 そんな中、担当のがん末期の患者さんが帰宅希望。当時の訪問看護室(聖隷浜松)に相談し一緒に同行させてもらいました。自宅で愛犬と戯れる姿は、病室では見る事の無い笑顔でした。患者さんの最後のニーズを叶え、家族に悔いの無いよう心構えを支えた訪問看護師の魅力を感じました。それからの私は臨床推論等のスキルアップに努め、在宅ケアの道に入りました。数回人事異動もありましたが、私に訪問看護の魅力を語ってくれた方がなんとその後、在宅部部長や訪問看護ステーションの所長として、再会した時は本当に感激でした。

 私生活では、母と同居。在宅スタッフの支えで自宅看取りが叶いました。スタッフ達が、母の人柄や家族の歴史を知ろうと関わって下さった。人としての尊厳を大切に関わってくれました。在宅ケアの魅力を今度は家族として体験したのです。現在の私は、市の医療・介護連携協議会や広報活動等に携わり、大先輩達が魅せてくれた在宅ケアの良さを伝える為、日夜奮闘しています。
 聖隷は、日本の真ん中、色んな出会いが満載、話題も学びも豊富です。

左から松井さん、広田さん、前田さん

右の写真でご一緒している方は、左が市立訪問看護の所長の松井さんです。一緒に在宅医療の推
進に励んでいます。また、中央は看護師・漫画家の広田さんです。「訪問看護」をテーマにした漫
画を書いてくださっています。ぜひ、私達の仕事を知ってください。

・『おうちで死にたい』(秋田書店)
・『ナースの力~私たちにできること 訪問看護物語』(秋田書店) 等
出典:2021年4月発行「聖隷クリストファー大学同窓会 会報Vol.25」