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就職・キャリア

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社会福祉学部 社会福祉士


医療ソーシャルワーカー

静岡てんかん・神経医療センター
ソーシャルワーカー(社会福祉士、精神保健福祉士)

橋本睦美 

日本福祉大学社会福祉学部卒業
聖隷クリストファー大学大学院社会福祉学研究科
博士前期課程修了

 現在、静岡てんかん・神経医療センターでソーシャルワーカーとして勤務しています。恵まれたことに、仕事をしながら大学院に通うことができました。体力的には厳しいものがありましたが、それ以上に業務に直結する学びと振り返りの機会になり、とても刺激的な大学院生活でした。

 大学院に進学したことで得た大きな気づきは、当事者やそのフィールドに臨む姿勢は、研究でも臨床現場でも同じなのだということです。私の知識不足もあり、研究が臨床現場に直接的に役立つという実感が持てないでいました。しかし、大学院で出会った先生方から、データの向こう側に当事者が浮かび上がるような真摯な姿勢を目の当たりにし、大袈裟ではなく衝撃を受けたことを昨日のように思い出すことができます。

 また、修士論文を作成したことで、経験でなんとなく感じていたことを言語化・可視化し、それがきっかけとなって個人的な経験に留めることなく同僚や異業種の方たちと共有するという体験ができました。自らの経験だけに留めないことが、同じような境遇にある当事者への支援に繋げていく方法の一つだと実感しました。

 職場での研究に関連する取組として、てんかん外科術の術前、術後2年、術後5年の社会生活状況の調査を同僚と共に行っています。当事者の主観的評価として満足度を、客観的評価として移動方法や車の運転、就労状況等に関するアンケート調査です。アンケートに答えていただいた後に面接を行い、満足度の理由や背景等をご本人から伺うようにしています。
 この調査の目的は、今後手術を受けようとする当事者が術後の生活の見通しを持つために参考になるのではないかということと、術後社会生活の課題が確認された場合に早期に介入するためです。

 余裕のない臨床の中で研究を行うことはとてもエネルギーのいることです。しかし、ゆっくりとした歩みでも、真摯な姿勢で当事者と、そしてデータと向き合っていきたいと思います。
出典:2014年9月発行「広報誌クリストファーVol.1」

非常勤講師
医療ソーシャルワーカー
学校相談員

安達 薫 

聖隷クリストファー大学大学院
博士前期(修士)課程 社会福祉学研究科修了

「言語化」することで拡げるソーシャルワーク実践

 1996年に医療ソーシャルワーカー(以下MSW)のスタートを切った私は、経験年数を重ねるとともに後輩の育成や部署のマネジメント業務も担うようになりました。他者にソーシャルワークを伝えていくという作業は、自身の実践がいかに経験と感覚に頼ったものであったかを直面する体験でもありました。
 さらに、私にとって後輩の育成業務は、クライエントや他職種といった様々な関係性を通して自己のあり様を見つめ葛藤を抱えるMSW達との出会いでもあり、MSWの成長には自己覚知が大きな影響を与えていくのではないかとの思いを持つに至りました。そして、これらの実践から出た問いに向き合うべく、思い切って退職し大学院に進学しました。
 研究では、様々な関係性を通して自分と向き合いながら成長していくMSWの姿を通し、実践能力の変容には自己覚知が大きく関与していることが明らかとなりました。さらに、研究協力者の方々の実践や先行研究の分析は「根拠を持って言語化する」ということの責任と大切さの学びとなりました。ご指導下さった先生や研究協力者の皆様との出会いには言葉では言い尽くせない感謝の気持ちでいっぱいです。この出会いと学び、そして修士論文は私のかけがえのない財産となりました。

 昨今MSWは「退院支援係」としての役割を果たすべき職種と認知されていると感じています。当然、クライエントが安心できる退院支援は大切な業務の一つではありますが、MSWにはクライエントのアドボカシー機能を果たすという重要な役割があります。医療現場は、時としてクライエントの「聞きたいけど聞けない」「言いたいけど 言えない」といった、思いや不安が表出できない状況を生み出しがちな環境でもあると思います。クライエントの知る権利、思いを語る権利が危ぶまれるときにこそ、MSWは「クライエントの価値を守る」という力を発揮すべきだと、大学院を修了した今、この思いを強く持っています。

 現在は、退職と同時に引き受けた非常勤講師、通信制高校と専門学校の相談員、そしてMSWとしての業務をしており、大学院での学びや研究が、実践に大きく影響を与えていることを実感しています。非常勤講師では、医療や福祉の現場で働くことになる学生に「社会福祉」を伝える喜びと、伝わっていくことの手ごたえを感じています。
 また、学校の相談員においては、経済面、人間関係、親子関係、自己のあり様等多くの困難感を抱える学生と出会い、教育の現場にもソーシャルワークが必要であることを実感しました。支援とは、細切れであってはならず、家族を含めた支援、義務教育課程からその後の教育課程へと連続性を持ち繋いでいくことが必要であると思います。
 MSWとしてスタートをしたソーシャルワーク実践ですが、今は様々な場面にソーシャルワークが必要であることを実感し、その範囲が医療の場面だけに限定せずに拡がっています。これからもクライエントの価値を大切にするというソーシャルワークの実践者であるとともに、微力ではありますが、その火を絶やさぬよう後進に伝えることの役割も担っていきたいと思います。
出典:2022年4月発行「広報誌クリストファーVol.13」

スクールソーシャルワーカー

社会福祉協議会職員

掛川市社会福祉協議会

馬淵初音 

聖隷クリストファー大学
社会福祉学部社会福祉学科
2018年度卒業

 私は大学卒業後、掛川市社会福祉協議会へ入職しました。
 在学中お世話になった佐藤先生から、「地域共生社会」の重要性や制度を学び、このことから、地域福祉活動を推進している社協が「地域共生社会」の実現に向けてどう取り組んでいくのか興味を持ち、入職することを決めました。
 大学卒業後も佐藤先生をはじめ、社協に就職した皆さんと交流できる機会があり、心強いです。

 現在、私はコミュニティソーシャルワーカー(CSW)の仕事をしています。CSWは日常生活で困りごとを抱える方の相談に応じたり、地域の方と一緒に、地域で孤立しがちな方の見守りの仕組みや居場所づくりをおこなったりしています。

 最近は生活に困窮する方、精神的な問題を抱える方の相談が増えています。問題が絡み合い複雑化するケースもありますが、関係機関で知恵を出し合い、連携しながら課題に対応しています。多くの関係機関の方と仕事ができ、自身の視野や知識の幅が広がりを感じています。また、最近地域に出る中で、コロナの影響で思うように活動できず、住民の方と一緒に取り組むことの難しさを感じます。住民の皆さんと活動するには根気がいると実感する場面もありますが、制度の枠にとらわれず、住民の皆さんと一緒にCSWの仕事を形にできることがこの仕事の面白さです。

 私は今年度異動となり、新たなエリアを担当しています。悩むこともありますが、関係機関や地域の方との繋がりを大切に、この仕事を続けていきたいと思います。
出典:2022年9月発行「聖隷クリストファー大学同窓会 会報Vol.28」

相談員

社会福祉法人 和松会
軽費老人ホーム和松園 施設長
社会福祉士

板倉幸夫 

東海大学海洋学部海洋工学科卒業
福祉医療ヘルパー学園卒業
日本社会事業学校社会福祉士通信教育課程(附帯教育)卒業

 私は福祉医療ヘルパー学園の5期生です。今から30数年前、縁あって一般企業から福祉の仕事に転職する際、何も知らない私はこの学校で短期間でしたが、福祉に関するさまざまな知識と対象者(人)に真摯に向き合うことの大切さを学びました。卒業後は高齢者・障害者施設等、入所施設で利用者と直接関わる仕事をしています。

 地域は今、社会環境の変化の中で、貧困・子育て・高齢者や障害者支援等のさまざまな課題が出てきました。私が勤務する法人の理念は「誰もが幸せに…(福祉事業を通じ、誰もが住みやすいまちづくりに取り組む)」としており、施設での利用者支援だけでなく、地域の福祉力向上のためいろいろな活動を行っています。

 福祉教育はそのひとつで、保育園児から小・中・高校生の体験学習の場として、法人内各施設で積極的に受け入れています。この中で私たちが伝えたいことは、ただの体験や実習で終わるのではなく、体験した事を「自分の生活の場で考える」ということです。そして「誰もが同じ、誰もが違う」事の理解を進めることにより、地域はもっと優しく、住みやすくなるのではないかと考えています。

 また、地域の支援力の強化も私たちの大きな課題です。現在勤務する施設では、市の支援を受け、地域の中で高齢者介護予防事業を展開すると同時に、行政任せではなく、自ら行動することができる介護予防を支えるサポーター育成も始めています。

 社会福祉士個人としては、成年後見や福祉サービス第三者評価事業等に関わっています。成年後見の仕事等で感じることは、確かにさまざまな制度で個人には手がさしのべられていますが、家族(家庭)全体をとらえ支援することがまだまだできていません。今後さまざまな制度を繋げるネットワークをさらに強化して、この問題の解決を図りたいと考えています。

 当初、私はこんなに長く福祉の仕事ができるとは思っていませんでした。しかし、福祉医療ヘルパー学園での学び、さまざまな仕事の中で多くの人たちと関わり、福祉の仕事の大切さと楽しさを感じてきました。福祉の仕事、今はあまりいいイメージでとらえられていません。しかし、福祉の仕事はとてもクリエイティブで面白い、大切な仕事と思っています。
 施設利用者の皆様や地域の方々がより豊かに生活できるために、創意工夫することはとても楽しいことです。今後何らかの方法で、この楽しさを多くの人に伝えることが私の仕事かと考えています。
出典:2017年4月発行「広報誌クリストファーVol.6」

聖隷横浜病院
相談室

沖山 智 

2016年度
社会福祉学部社会福祉学科 卒業

相談者が望む生活に少しでも近づけられるよう支援をしたい

 私は2017年4月に聖隷福祉事業団の事務職として採用、聖隷横浜病院への配属となりました。昨年までは地域連携室の業務を担当していましたが、3月より相談室に異動となり、現在はMSWの業務を担当しています。

 MSWの業務は、医療費や介護保険などさまざまな制度に関する相談、退院支援の中でも転院に関する相談を主な業務としています。病状や家族背景、経済状況など一人ひとり状況が全く違う中で、患者様やそのご家族が望む生活に少しでも近い生活を実現することの難しさを肌で感じています。

 医学的な知識、制度に関すること、面談技術、院内での立ち回りなど学ぶべきものはたくさんあるので、患者目線での支援ができるようがんばっていきたいです。
出典:2018年9月発行「聖隷クリストファー大学同窓会 会報Vol.20」