クリストファー Vol.12
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リハビリテーション学部作業療法学科 教授04そしてQOL研究へ… 私の就職した2001年は、リハビリテーション医療のパラダイムシフトが起こった時期だと考えています。その理由としては、2000年に回復期リハビリテーション病棟の設置、2001年に国際生活機能分類(ICF: International Classification of Functioning、 Disability and Health)が採択されたからです。これらは、まさに、「全人間的復権」が目的であるリハビリテーション医療を推進することができる出来事だと思います。 一方、私の就職先は急性期の大学病院であり、その時代(20年前)のそこでのリハビリテーション専門職の役割は、リスク管理を実施しながら、心身機能・身体構造、活動(主にADL)を向上することが大部分を占めていました。たしかに、それらの改善により、家庭・社会復帰を達成し、幸福に生活している方々も多かったのですが。ADLや心身機能・身体構造がほぼ正常に回復したにも関わらず、幸せに生活できていない方も散見されました。「あぁ、私が提供しているリハビリテーションには何かが足りないな・・・皆がハッピーになるためには・・・QOL?」「QOLって言葉は知っているけれど、どのように評価するのか?何もわからない・・・」という状態でした。リハビリテーション専門職として不甲斐なく思い、QOLについて深く学びたいと思いました。 その実現のために、私が考えたのは、「大学院へ入学し、全集中で研究に取り組む!」です。なぜならば、私のようなものでは、独学で研究方法を学ぶには不明な点が多すぎて研究が進まず、また、自分自身に甘いので、自身の力ではQOL研究を突き詰めるという限界突破ができないと考えたからです。とても幸いなことに、その頃に、私の恩師(実習時代にお世話になった鬼の指導者)から教員の道についてもお話をいただいており、更には、恩師はQOL研究のスペシャリストという奇跡・・・これは運命であると悟り、新潟での修業を希望しました。研究事始め 前置きが長くなりましたが、具体的な研究内容を以下に研究の紹介生涯QOL研究泉 良太

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