理事長挨拶
隣人愛と知識・技術の統合された人間教育の実践
聖隷学園は「生命の尊厳を守り、自分のように隣人を愛する」というイエス・キリストの愛を基本理念としています。
イエス・キリストが自ら弟子の足を洗い手本を示されたように、行って同じようにすること、人と共にあり、共に生きることを人生の目的と喜びとすること、病人や障害を持つ人、お年寄りの不安や苦痛、悲しみを理解し、クリストファーが危険をおかし、命がけでイエス・キリストを背負ってライン河を渡ったように、これらの人々を大事にケアする人材が本学から育つことを願っています。
こうした人材養成に対する考え方を基本に、日々進歩する専門教育や関連諸学問の知識や技術を、愛によって統合する人間教育を行い、援助を必要とする一人ひとりの命と幸せを守るために労を厭わぬ実践力を涵養しています。
学園は、2011年4月に、幼保連携型認定こども園である「聖隷クリストファー大学附属クリストファーこども園」を開園しました。こども園では、質の高い保育・幼児教育を実践し、子どもの健全な教育を目指してまいります。
聖隷クリストファー大学は、2011年度より社会福祉学部においては、社会福祉学科、介護福祉学科、こども教育福祉学科の三学科に、リハビリテーション学部においては理学療法学科、作業療法学科、言語聴覚学科の三学科体制にそれぞれ移行いたしました。2023年4月には国際教育学部を開設し、現在、四学部七学科を擁する保健・医療・福祉・教育の総合大学として、より一層の教育・研究の質的向上を目指してまいります。大学院においても、各研究科の教育・研究上の一貫性の強化を目的として、看護学研究科、社会福祉学研究科、リハビリテーション科学研究科の博士課程(前期・後期課程)へと改編しました。今後も内容をさらに充実させて医療・保健・福祉のオンリーワンの大学と評価されるように前進したい考えです。
2016年4月には介護職員の更なる充実を目的として、「聖隷クリストファー大学介護福祉専門学校」を開校しました。聖隷学園は超高齢社会において、「豊かな高齢期」を実現する社会に寄与していきます。
2020年4月には「聖隷クリストファー小学校」を開校しました。グローバル化および情報化と常に変化を続ける社会に対応できるよう、「英語イマージョン教育」と「探究型の学び」を実践し、国際社会で活躍する人材を育成します。
聖隷学園の新しい教育の夢として、大きな社会問題となっている医師不足を解消するためにメディカルスクール構想を描いています。「メディカルスクール」とは従来の医学部ではなく、4年制大学を卒業した社会的使命として医師という職種を選択した明確な強い意志を持つ人に対して4年間の専門教育を行い、医師へと養成する専門職大学院です。この大きな目的に向かって海外のメディカルスクールを視察し、近い将来の実現に向けて日々研究を重ねております。
こうして教育環境の充実を図っていく中で、私どもが願うことは、聖隷学園が地域の人々にとって役に立つ学園であってほしいということです。地域社会における医療・保健・福祉の質の向上に貢献する人材、さらには、アメリカ・ヨーロッパや開発途上国で国際的に活躍する人材が巣立っていくことを期待しています。