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教員リレーエッセイ

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多様性を認め合う共生社会に求められる理学療法士


2024年1月10日更新
 現代社会は、すべての人々の営む生活や人生の価値観は多様であり、それはリハビリテーション対象者も同じです。理学療法士は、病気や怪我で身体に障害を持った人々に対し、主に医療・介護施設において、多職種と連携・協働してリハビリテーションを行います。一方で、社会では多様性を認め合う共生社会が推進され、地域に目を向けると、地域包括支援センターが中心となり、住まい・生活支援・介護・医療・予防が一体となった地域包括ケアシステムの構築を目指しています。しかし、地域包括ケアシステムは多くの課題が山積しているのが現状で、理学療法士はリハビリテーション専門職者としての役割を担うことが求められ、より積極的に関わる必要があります。さらに視野を広げると、高齢者だけでなく、子どもの発達を促し、働く人々の病気や怪我を予防する役割も担うことになると考えてます。
 予防理学療法学の一環として、地域包括支援センター、大手企業の工場と関わるようになり、昨年度より地域理学療法学の授業で、企業連携型の教育に協力していただいています。授業では、『理学療法士は地域社会に貢献できるか』、『理学療法士は地域社会を動かせるか』をテーマに、地域や企業の課題に対する解決策を検討し、企業に提案するアクティブラーニングの授業を行っています。学生はグループワークで検討した解決策をオンラインで報告し、アドバイスをいただいています。地域包括支援センターの皆さまには、学生が卒業して臨床で患者を担当したとき、患者が地域でどのような生活をして、どのような人たちが支え、どのように課題を解決していくのか、知ってもらい、患者と向き合ってほしいとの願いを持って協力しています。多様性を認め、一人ひとりのリハビリテーション対象者に寄り添い、地域で生活する理学療法を必要とするすべての人たちを支え、幅広い視野を持って多職種連携・協働できる理学療法士が育ってほしいと願っています。