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教員リレーエッセイ

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病院だけじゃない!みなさまの生活を支える作業療法の可能性


2024年10月10日更新
 みなさまは、リハビリの専門家がどんな所で働いているかご存じですか。病院や施設で働いていると想像する方が多いのではないでしょうか。実は、リハビリの専門家の中には、病院や施設だけではなく、みなさまが住んでいる地域で活躍している人もいます。私が所属している日本作業療法士協会は、「人々の活動・参加を支援し、地域共生社会の構築に寄与する作業療法」をスローガンに活動しています。地域にお住まいの全ての人の生活を支援し、健康と幸福を促進することは、私たち作業療法士の重要な役割です。
 日本の地域にはどんな課題があるのかを考えてみると、地域にお住まいのご高齢の方が多いことがあげられます。日本のご高齢の方は他国に類を見ないスピードで増加しています。ご高齢の方の増加に伴い、日常的に誰かの助けが必要な状態である「要介護高齢者」も増えています。病院や施設でのご高齢の方へのリハビリ・作業療法は、「要介護高齢者」に対して実施されることがほとんどです。一方、地域では、「要介護高齢者」にならないための支援、介護予防の視点で対象となる方に関わることが重要になります。介護予防をすることで、「要介護」になることを防ぎ、住み慣れた地域で一人ひとりがイキイキと生活できることをめざし支援を行います。
 私は、介護予防に作業療法を役立てることをテーマに研究をしています。具体的には、地域にお住まいのご高齢の方の生活と移動機能の低下がどのように関連しているのかを調査しています。この研究の結果は、日々の生活を豊かにすることが移動機能の低下を防ぎ、要介護予防につながることを示すことができるのではないかと考えています。これからも、みなさまが住み慣れた地域でイキイキと生活するための研究を続け、一人でも多くの方のお役に立てるように精進していきたいと思います。